Eagle Eyeメーカー サッポロビール株式会社様 探索的に向き合うことで新たなニーズを見出したい

Eagle Eyeメーカー

探索的に向き合うことで新たなニーズを見出したい

「黒ラベル」や「ヱビス」をはじめとしたビール、チューハイ、サワーなど、さまざまなジャンルでお酒の新たな可能性を開拓するサッポロビール株式会社。2018年のEagle Eye導入時からご活用いただいている髙雄康行様にお話をうかがいました。

(写真:サッポロビール株式会社 髙雄様)

お話をうかがったのは
サッポロビール株式会社
マーケティング本部 顧客体験デザイン部 髙雄康行様

導入製品
Eagle Eye

新しいジャンルへのチャレンジ。
新規参入のカテゴリでもn数を担保できる規模感が魅力だった

―はじめに、どのような業務をご担当されているか教えてください。

髙雄様: 小売業様からお預かりしたPOSデータの分析プラットフォームを運営・管理するほか、Eagle EyeなどのID- POSを活用して主に小売業様向けの提案根拠を作成しています。

―2018年からEagle Eyeを導入いただいていますが、どういったきっかけで導入に至ったのでしょうか?

髙雄様: 2018年以前から缶チューハイやサワーの素のような、RTD(レディー・トゥー・ドリンク:開封してそのまま飲めるお酒)、RTS(レディー・トゥー・サーブ:水や氷で割って飲むお酒)ジャンルに参入する流れがあり、どういったお客様に買われているのかデータがほしかったんです。そのタイミングでTrue Dataの存在を知って、スーパーマーケットで当時250万人のパネルがあるという(現在は400万人)。それだけあれば新規参入の商品でもある程度のn数が担保できるのではないかと考えて導入しました。
お酒以外のカテゴリもかなり豊富にあるので併買も見ていこうということになり、酒とそれ以外の食品カテゴリを含めた分析に至っています。

―実際導入されたご感想は?

髙雄様: RTSを購入している人はやはり人数ベースが少ない。それでもある程度のn数が出てくるのでありがたかったですね。新規参入のカテゴリだったので、どんな方に買われているのかが見えたことは大変参考になりました。

新客をターゲットにした「YEBISU CREATIVE BREW」の成功が、
データによって裏付けられた

―現在はEagle Eyeをどのように活用されていますか?具体的なエピソードがあれば教えてください。

髙雄様: たとえば「ヱビスビールを父の日に」というご提案のときは、リフト値からどんな食品といっしょに買われているかを導き出しています。ほかのビールと比べるとローストビーフや刺身の盛り合わせ、寿司といったご馳走といっしょに買われている傾向があるので、お惣菜に力を入れているスーパーマーケットにはチャンスと感じていただけるかもしれません。父の日にはヱビスビールを、と小売店様にご提案する根拠として活用しています。

また、ヱビスビールは昔からある「金のヱビス」や「プレミアムエール」のほかに、「CREATIVE BREW」という新しい味わいのシリーズをつくっています。期間限定でさまざまなフレーバーを発売することで、いままでヱビスを飲んでいなかった方にも我々のチャレンジを知っていただきたいという思いを込めた取り組みです。

実際にデータを分析してみると、「CREATIVE BREW」を買われたお客様の約8割が直近1年では「ヱビス」を買っていなかった方であることがわかりました。さらに、「CREATIVE BREW」をきっかけにその後「金のヱビス」を買ってくださったお客様が、そうでないケースの9倍という数字も出たんです。「CREATIVE BREW」によって新しいお客様にアプローチできたこと、さらに「金のヱビス」を知るきっかけをつくれたことが裏付けられました。

―仮説を立てて検証するという使い方が多いですか?

髙雄様: 先ほどの父の日のように施策をつくるときはそうですね。そのほか、定点的に見ることも行なっています。購入回数別の分析やCM後の反応、「CREATIVE BREW」のような商品を発売した後の動きなどをレポーティングしています。

「ウェルビーイング」と「無関心層へのアプローチ」。
さらなるチャレンジにID-POSを活用したい

―今後の御社の取り組みのなかで、ID-POSをどのように活用していきたいですか?

髙雄様: いま大きく取り組もうとしているテーマのひとつがウェルビーイングです。「男梅サワー」という商品がありますが、2023年に「男梅サワー ウメぇ無糖」という無糖カテゴリを発売しました。データを取ってみると、この2商品を購入しているお客様像ははっきりと分かれています。併買分析をみても、「無糖」を買っている方はほかのカテゴリでも無糖商品を選ばれていて、「無糖でないといけない理由」があるのだと推察できます。
同様に、糖質オフと糖質ゼロでも併買傾向などにはっきりとした違いが出ますし、一見競合しそうに見える商品も棲み分けできることがデータ上で示されているんです。こういったデータをもとに、食を制限しなければならない人も楽しめる商品が開発できればと考えています。

もうひとつが、なんとなくビールを飲んでいる、もしくはあまりビールを飲まない無関心層へのアプローチです。インタビューでの調査も行いますが、それがその方一人の意見なのか、同じように考えている人が多いのか、その裏付けのためにもEagle Eyeを活用していきたいですね。また、あまりお酒を買っていない人はどんなものを買っているのかをEagle Eyeのデータから探って提案の根拠にしていきたいと思います。そうやって探索的に調べたものを社内にフィードバックすることで、新しい価値を見出していけたらと思います。




◆掲載内容は取材当時のものです。