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地球沸騰化時代が到来!暑くなると売れる飲み物&食べ物は⁉
~お菓子・飲み物・お惣菜、食品スーパーマーケットにおける気温と売り上げの関係性を調査~

株式会社True Data(本社:東京都港区、代表取締役社長:米倉 裕之、証券コード:4416)は、食品スーパーマーケットにおける統計化した購買データと気象データを掛け合わせ、「菓子類」「飲料(アルコール類を除く)」「惣菜」の売れ行きと気温の関係性について調査しましたのでお知らせします。


この調査は、当社の流通気象コンサルタントで気象予報士の常盤勝美が監修し、気温の上昇、下降と売り上げの関係を、相関係数(関係性の強さを示す指標)を使って可視化したものです。


2023年7月、国連のグテーレス事務総長は「地球温暖化の時代は終わり、地球沸騰化の時代が到来した」と述べました。日本の平均気温は、観測史上最高という、未曾有の暑さだった昨年同様、今年の夏も記録的な高温が続いています。これまでの「何月に売れるもの」「秋に売れるもの」といった季節の常識と、実際に売れるもののあいだにズレが生じるケースがあるため、気温変化に対する消費者のニーズを把握することの重要性が高まっています。


当社は、小売業やメーカー企業における購買データと気象データの活用を推進し、売り上げアップとロス削減の取り組みへとつなげていただけるよう支援してまいります。

【調査概要】

  • このランキングは当社の流通気象コンサルタント(気象予報士)常盤勝美が監修しました。購買と気象のデータを用いて相関係数を算出し、関係性の強さを表しました。
  • 購買データは食品スーパーマーケットにおける購買情報をもとに統計化した週別の購入個数を使用しています。
  • 気象データは各週(7日間)の最高気温の平均値を使用しています。 
  • 相関係数は「0.5以上」の場合、気温との関係性が強いと言われています。値は-1~1の範囲に必ずおさまり、0に近いほど2者の関係性が弱く、1(逆相関であれば-1)に近いほど関係性が強いことを示します。


■菓子類

 菓子類で最も気温の上昇と売り上げの関係性が強いカテゴリは、「ファミリーアイス」(箱入りなどのアイス)でした。単品の「パーソナルアイス」も強い関係性を示しています。「プレミアムアイス」(乳脂肪分の高いアイス)は、クリスマスや年末年始など、冬に人が集まるタイミングで売り上げが上昇することなどが影響し、アイスクリーム類のなかでは気温上昇との関係が弱く出ています。冷たいゼリーやプリンなどの「デザート類」も気温上昇に伴って売り上げが伸びる傾向にあります。反対に、気温の低下と関係性が強いのは「チョコレート」「米菓」「ビスケット・クッキー」などでした。

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流通気象コンサルタント 常盤 勝美のコメント
「菓子類の中でも、気温が高い時は、からだを冷やす目的で、冷蔵庫や冷凍庫で冷やして食べるものが好まれます。アイスやデザート類はその典型です。ただアイスの中でも、乳脂肪分の高さによって、気温との関係性が異なります。一方気温が低い時は、からだを温める目的で、体内産熱につながる甘味の強いものや、熱いお茶と一緒に食べることが多い米菓などの和菓子が好まれます」

菓子類カテゴリの相関係数(暑さとの関係性が強い順)

【深掘りチェック】 どんなアイスが気温上昇に伴って売れるのか?
食品スーパーマーケットにおける単品のアイスクリーム類(当社カテゴリ「パーソナルアイスその他」と「プレミアムアイス」)について、購入個数上位20商品の相関係数を調査しました。最も気温上昇と関係性が強いのは、クールダウンと水分補給が素早くできる「アイスボックス グレープフルーツ 135ml」でした。「クーリッシュ バニラ 140ml」「パピコ チョココーヒー 80ml×2」など、氷入りでシャリシャリとした食感の商品も高い相関係数を示しています。チョコ入りや濃厚な味わいのアイスは気温上昇との関係性が弱くなり、冬のイメージがある「雪見だいふく」の相関係数はマイナス0.19 (気温低下と弱い関係性)でした。


単品アイスの相関係数(暑さとの関係性が強い順)※購入個数上位20商品

■飲料(アルコール類を除く)

 アルコール類を除く飲料カテゴリで、気温上昇と最も関係性が強いのは「コーヒードリンク」でした。「スポーツドリンク」も非常に関係性は強いですが、高温時期に一気に売り上げが伸びるため、気温上昇との関係性を示す相関係数としては「コーヒードリンク」より低く出ています。「日本茶・麦茶ドリンク」(ペットボトル、パックなど)といった無糖のドリンクも強い関係性があります。「麦茶」はティーバッグなどのカテゴリも暑さと強い関係性を示しています。

炭酸系の飲料や、牛乳、豆乳も気温上昇との相関が認められます。牛乳は年間を通して購入される商品ですが夏場は消費スピードが速くなることが影響していると考えられます。反対に、「レギュラーコーヒー」(豆や粉など)や「インスタントコーヒー」「日本茶」(茶葉)などは、気温低下との関係性が強いことがわかります。

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流通気象コンサルタント 常盤 勝美のコメント
「コーヒー、紅茶、日本茶・麦茶は、夏場の暑い時期はコールドで、冬場の寒い時期はホットで飲むという風に陽気によってホットとコールドを切り替える人が多いため、気温との関係性がより強くなる傾向があります。炭酸水も、無糖のものは、蒸し暑い陽気の日にのど越しの爽快さを求めるニーズが強まることから、気温との関係性が強くなっています。ただ、コールド飲料の中でも、水分補給のためというより健康のために飲まれることの多い乳酸菌飲料は、気温との関係性が弱い結果となりました」


飲料カテゴリの相関係数(暑さとの関係性が強い順)※アルコール類を除く

【深掘りチェック】 コーヒードリンクの甘さによる違いは?
最も気温上昇との関係性が強かった「コーヒードリンク」について、甘さによる気温との関係性の違いを分析しました。このカテゴリには缶コーヒーやパック、ペットボトルなどすぐに飲めるものが分類されています。その中から、商品名に「無糖」または「ブラック」が含まれるもの、「微糖」または「低糖」が含まれるもの、その他の3種類に分け、それぞれ購入個数上位20商品をグルーピングして相関係数を計算しました。結果、気温上昇と最も強い関係性を示したのは「無糖」、ついで「微糖・低糖」、3番目がおもにカフェオレなど甘い系が含まれる「その他」でした。3種類とも相関係数は0.8以上と高いものの、甘さによって違いがあることがわかりました。

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■お惣菜

 最後にスーパーマーケットで売られているお惣菜について分析しました。最も気温上昇との関係性が強かったのは「酢の物」でした。酸味のあるさっぱりとした味わいや、夏バテ対策としてお酢をとりたいというニーズを反映しています。次に関係性が強かったのはスタミナメニューの代表格「鰻蒲焼」です。冷たい麺類と一緒に食べることも多い「天ぷら」も、気温上昇に伴って売れる傾向にあるようです。反対に、気温の低下との関係性が最も強いのは「おでん」、次いで「煮物」という結果でした。

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流通気象コンサルタント 常盤 勝美のコメント
「気温や季節と味覚の関係から、気温が高い時期は酸味あるいは辛味のあるメニューが、気温が低い時期は甘味のあるメニューが好まれます。料理法に関しては、気温が高い時期は生食あるいは焼き物メニューが好まれやすく、気温が低い時期は煮物メニューが好まれやすい傾向にあり、今回の結果でもそれが表れています」


お惣菜の相関係数(暑さとの関係性が強い順)

気温と購買の関係性をより正確に表すため、※印のカテゴリは売り上げが急上昇する下記の週を除外しています
※1…土用の丑の日を含む週
※2…大晦日を含む週
※3…クリスマスを含む週

【データ概要】

  • 数値…小数点以下第三位を四捨五入  
  • データ集計期間…2022年5月2日~2024年4月28日
  • データ抽出日…2024年5月10日
  • 業態…食品スーパーマーケットの統計化した購買データをもとに作成
  • 分析対象商品…分類・カテゴリ名の冒頭が「その他」のものを除外
  • 特記事項…特売など、気象と関係のない行事などで売り上げが急増するデータを含んでいる場合は、相関係数の値が低く抑えられている可能性があります

流通気象コンサルタント(気象予報士) 常盤 勝美
神奈川県小田原市生まれ。大学で気候学、気象学を専攻した後、20年以上にわたり民間気象情報会社にて、コンビエンスストア、スーパーマーケット、食品メーカーなどに対してウェザーマーチャンダイジングの指導などを行う。2018年より株式会社True Dataで、流通気象サービスを推進している。



■株式会社True Dataについて
ドラッグストアや食品スーパーマーケットにおける年間5兆円、6,000万人規模のPOS、ID-POSデータを軸としたビッグデータプラットフォームを運営。小売業、消費財メーカー、その他幅広い業種の皆さまへ、顧客理解から商品戦略、販促施策、広告最適化、生産・在庫管理など、DX時代に有効なデータ活用ソリューションを提供しています。


<報道関係者様からのお問い合わせ先>
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