こんにちは。流通気象コンサルタント・気象予報士の常盤勝美です。雨の季節が近づいています。日差しが少ない状態が続くと気分も曇りがちになるといわれますが、このブログは毎回晴れ晴れとお届けします!
今回は、じめじめした季節でも、シャキッとした気分になれる調味料「お酢」にフォーカスしてみました。
お酢の売上動向は?
お酢の売上の季節変動は、あまり意識したことがない、という人が多いかもしれません。調味料は家庭での在庫が少なくなれば買うという定期的な購買を連想されると思いますが、本ブログのデータ×データの発見クイズ第7問にも出題したことがあるように、気温変化との関係が見られるものもあります。売上の時系列データで確認してみましょう。
それほど強い関係性は見られませんが、夏場は幾分売上が多く、冬場は少ないように見えます。
散布図で見ると、お酢の売上と気温の関係性がもう少しはっきり分かります。気温が高い時期の方がやや売上が多くなるという傾向が見て取れます。その中でも、散布図の黄緑色で示した6月のプロットは、プロットの集中している領域(6月以外のデータ)よりもやや上にあり、気温から推定されるよりもやや多い売上水準になっているようです。
この関係性から推測されるのは、梅雨の影響です。農林水産省のページによると、食酢について以下のような説明があります。
梅雨時は湿度の高まりによって細菌が増殖しやすい環境となります。それを防ぐ効果のある食酢へのニーズが高まると考えられます。
まとめ
お酢に関して、それほど強くはないものの、売上と気温との間に関係性があることが分かり、加えて梅雨の影響もあるということが分かりました。つまりこの時期は酸味に対する関心が高まるということも言えそうです。
※抽出データ 株式会社True 株式会社True Data「ドルフィンアイ」に搭載されている、「食酢」カテゴリ(業態:ドラッグストア、期間:2021年5月3日~2023年4月30日、データ抽出日:2023年5月10日)の週次の買物指数(買物指数は来店者100万人における購入金額)。
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株式会社True Data 流通気象コンサルタント 常盤 勝美
〈プロフィール〉
大学で地球科学を学び、民間の気象会社で約20年にわたりウェザーマーチャンダイジング関連サービスに従事。2018年6月、True Dataへ入社し、気象データマーケティングを推進。著書に『だからアイスは25℃を超えるとよく売れる』(商業界)など。気象予報士、健康気象アドバイザー。