データ×データの発見クイズ ~常盤勝美のお天気マーケティング【番外編】~ 第15問

こたえと解説

こたえ ・・・ 防虫剤

主に衣替えの時期、シーズンの終わった衣料をしまう際、一緒に入れておく用途で購買されることが多い防虫剤です。多くの家庭で衣替えが行われる春と秋に売上のピークが見られます。毎年の年中行事のようなものなので、気温に関係なく、売上の伸びが始まる時期、終わる時期は毎年ほぼ同じように見えます。

ここで注目したいのが、売上のピークのタイミングです。2020年春季は、4月中は全国的に顕著な低温、5月に入る頃から急激に高温傾向となったため、各家庭で衣替えする時期が5月上旬に集中し、大きな売上のピークとなった可能性があります。

また2021年秋季は、前年2020年と比べて少し遅れて10月半ば頃、売上のピークを迎えています。2021年はこの時期、残暑が長引き10月半ばまで気温が平年を大きく上回る日が多くありました。ほぼ平年並の気温で推移した前年(2020年)に比べて、各家庭での衣替えのタイミングが少し後ろ倒しになり、それが防虫剤の売上ピークのズレとなって現れた可能性があります。そういった意味では、防虫剤も気候の影響を受ける商品と言っても良いでしょう。

※抽出データ                                  株式会社True Data「イーグルアイ」に搭載されている、「防虫剤」カテゴリ(業態:ドラッグストア、期間:2020年1月6日~2022年1月2日、データ抽出日2022年1月26日)の週次の購買指数(購買指数は週別購入金額の当該期間平均値を1としたときの比率)。

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株式会社True Data 流通気象コンサルタント 常盤 勝美
〈プロフィール〉
大学で地球科学を学び、民間の気象会社で約20年にわたりウェザーマーチャンダイジング関連サービスに従事。2018年6月、True Dataへ入社し、気象データマーケティングを推進。著書に『だからアイスは25℃を超えるとよく売れる』(商業界)など。気象予報士、健康気象アドバイザー。