前回の記事では、約5000万人規模という日本最大級のID付き購買データ(ID-POSデータ)を基にした購買データ分析ツール「Dolphin Eye」の特徴と、「何が誰に売れているのか」を把握することによる商品企画面でのメリットをご紹介しました。後編では、Dolphin Eyeのさらなる活用法を探ってみましょう。
Excel達人はもう不要? 数クリックで新鮮な情報に基づく資料を作成
「見えない真実を、見に行こう」というコーポレートスローガンの通り、True Dataでは、「データ」を活用し、そこから見えてくる事実を基にした企業活動を支援するためのソリューションを提供しています。中でも最も手軽に利用できるサービスの1つが、Webブラウザーベースで利用できるDolphin Eyeです。ドラッグストアと食品スーパーから収集したID-POSデータを基に、特定の商品の売れ行き動向などを簡単に把握できます。
Dolphin Eyeの特徴は、ITやデータ分析に関する専門知識がなくても、誰でも手軽に必要な情報を引き出せることです。その上、「社内会議や取引先とのミーティングに活用可能な資料用データも簡単に作成できる。Excelなどでは手間がかかり面倒だった作業だが、Dolphin Eyeでは簡単にグラフを作成してダウンロードし、資料のコンテンツとして活用できる」と、当社データベースマーケティング部の徳田明子は説明します。
Dolphin Eyeでは、あらかじめ「どんな資料を作りたいか」という目的ごとにメニューが用意されており、それをクリックしていくだけで、必要な商品やカテゴリのグラフを作成できます。作成したグラフはデータがExcelやCSV形式で出力できる他、PowerPointファイルに貼り付け可能なPNGファイルとしても出力可能です。
また、一度検索したカテゴリや商品のグラフデータを「保存」しておくことも可能です。この保存データは、毎週自動的に更新される仕組みになっており、最新の情報に基づく資料をいつでも簡単に作成できます。
社内会議にも、取引先との交渉にも、モノを言うのは「数字」
こうして数字に基づいて商品の売れ行きを正確に把握できれば、前回紹介した新製品の開発・企画だけでなく、販売促進活動をより効果的に展開するヒントも提供してくれます。
例えば、開発サイドが絶対の自信を持って出した製品が、思うような売れ行きを示さなかった場合、社内会議は堂々巡りになりがちです。こうしたときにDolphin Eyeから引き出した数字で裏付けを示せば、そのままゴーサインを出すにせよ、戦略を練り直すにせよ、互いに受け入れることができるでしょう。もちろん、製品企画やプロモーション戦略がうまくいっていることを裏付ける根拠としても活用でき、「感覚を数字でバックアップできます」(徳田)
ある健康食品・化粧品メーカー 様では、若年層をターゲットに開発した商品を発売したが、Dolphin Eyeで世代別の売れ行きを確認したところ、想定より上の年齢層での売れ行きが高いことが判明しました。そこで販売計画を練り直し、あらためて40代の女性をターゲットにした販売促進企画を推進することにしました。とかくビジネスは予定通りにいかないものですが、計画と実際の違いを正確に把握することで、インパクトを最小限に抑え、新たな商機につなげることができます。
ある医薬品メーカー 様では、バイヤーとの交渉にDolphin Eyeのデータを活用したそうです。小売の棚は激戦区。それまで「定番」とされてきた商品でも、ライバル商品の登場や小売店の戦略によって棚落ちすることは珍しくありません。しかしこのメーカーでは、Dolphin Eyeから得られた他地域の売れ行きや他社製品との比較を示し、「このままでは逸失利益につながる」と説得し、取引の復活につなげました。
ちなみにDolphin EyeはWebベースのサービスとなっているため、PCだけでなく、スマートフォンやタブレット端末を通して出先からも利用可能です。実際に店舗に出向き、店頭で商品と照らし合わせながら売れ行き動向を示し、交渉するといった使い方もできるでしょう。
いずれにせよ数字という明確な根拠があれば、社内で、あるいは取引先と意見がぶつかったときの第三者的な視点として活用できます。共通の土俵に立って、双方に納得のいく提案や建設的な議論が可能になるでしょう。
急上昇中の商品はどれ? を一目で把握できる新機能「シェア上昇ランキング」も追加
リアルな数字をもっと企業活動に活用したいーーそんな声に答え、True Dataは10月17日、Dolphin Eyeに新機能「シェア上昇ランキング」を追加しました。名前の通り、前年同期比でシェアを伸ばしている商材(カテゴリ)や、カテゴリ内でシェア伸び率が高い個別商品をランキング形式で表示する機能です。ランキングをクリックすればこれまで通りの分析画面に移動し、従来通り、前年同期や他の製品との比較が行えます。
このランキングを見れば、「今売れているものは何か?」をいち早くキャッチし、それに沿って先手を打った商品開発が行えるようになります。急上昇中の商品に合わせたプロモーション戦略を素早く立て、商機を最大限に生かすことも可能でしょう。
実は「何がどんな人に売れているか」を把握できるDolphin Eyeの特徴に目をつけ、意外なところでも採用が広がっています。それが広告・セールスプロモーション業界やコンサルティング業界です。売れ筋の顧客特性に合わせたプロモーションを提案したり、プロモーション効果を測定する際にDolphin Eyeの数字が大いに役立っていますが、シェア上昇ランキングによってその効果はいっそう大きくなるのではないでしょうか。
True Dataではこれからも、真実を明らかにする「数字」を、大企業だけでなく誰もが手軽に活用できる形で提供していきます。