内閣府主催「地方創生☆政策アイデアコンテスト」のオンラインセミナーに登壇
~データを使って政策アイデアを考える~

 地域を元気にするために、子どもから大人まで誰もが参加できるアイデアコンテストがあることをご存知でしょうか。内閣府 地方創生推進室が主催する「地方創生☆政策アイデアコンテスト」は、データを活用した地方創生、地域活性化を推進するために、2015年から毎年開催されています。

 コンテストの特徴は、政府が提供する地域経済分析システムRESAS(リーサス)またはV-RESASを使ってデータから地域の現状や課題を分析することです。RESAS、V-RESASは無料で公開されており、誰でも使うことができるオープンデータで、RESASは当社の購買データも搭載されています。2022年度コンテストの応募スタートにあたり、第一回オンラインセミナーが8月24日(水)に開催され、当社執行役員の越尾由紀が登壇しました。今回のブログでは、このセミナーの様子をレポートします。

 「データを使って地域活性化のアイデアを考える」と言っても、膨大なデータを前にすると、いったい何から手を付けたらよいのか・・・と悩みますよね。このセミナーで越尾は、コンテストへの応募を考えている参加者の皆さまに、「データ活用とフレームワーク」、「RESASで見えること~北海道をテーマとした場合~」のふたつのトピックをとりあげ、データを使った政策アイデアの考え方について具体的にお話ししました。

データ活用の「フレームワーク」とは?

 グラフやデータをからどうやって大事なことを見つけるのかわからない、という方も多いのではないでしょうか。越尾は「まずは3つのポイントに着目しましょう」と話します。次のスライドをご覧ください。

①「全体」から「部分」へ 
②「結果」から「原因」へ 
③「トレンド」や「比較」から変化や違いの気づきへ
このように着目点がわかったら、データの見方が変わってくるのではないでしょうか。

 続くフレームワークで使うのは、誰もが一度は聞いたことがある「5W1H」。
まずは下の図をご覧ください。

 データマーケティングのフレームワークでは、まず「Why=どんな目的で」と「Who=誰に対して」を設定することで顧客を理解し、続いて、何を、いつ、どこで、どうやって実行するのか、という顧客接点を立案することが大切です。さて、いよいよ具体的なワーク事例へと移ります。

全国のデータが見られるRESASを使って北海道を考える

 コンテストで使用する地域経済分析システム「RESAS」には様々なデータが搭載されているので、「どこを見たら良いかわからない」という方もいらっしゃると思います。今回越尾は北海道を例にとっていくつかのデータから読み取った仮説を紹介しました。

 コロナ下で北海道の宿泊者数が減少するなか、これまでよりも夫婦・カップルの割合が多くなっていることがわかります。(RESAS:観光マップFrom-to)

 観光マップの目的地分析では目的地の検索回数やランキングも調べることができます。

 このデータを見ると、検索数が増加するのは毎年3月であることがわかります。この頃が旅行を考え始める時期なのかもしれません。

 もうひとつ、地域活性化の重要な要素である「消費」を調べるために、続いてRESASの消費マップを見てみます。こちらは消費マップ(POSデータ)で、北海道の乳製品の消費が、全国と比べてどのような傾向があるかを見たものです。バターの構成比が全国と比べて高いことがわかります。

 続いて、消費マップのFrom-to分析を見てみましょう。北海道の製造メーカーの商品が、どの地域で購入されているのかがわかります。北海道メーカーのバターは北海道以外での消費が高く、コロナでよりその傾向は強まっているようです。

 同様に水産珍味(昆布やイカ、タラなどをつかった珍味)についても、RESASのデータを確認したところ、道外での消費が減少しており、特に埼玉県での購買を活性化する必要がありそうだということがわかりました。

 最後に、これらのデータを読み取って作成した仮説を紹介しました。

 このように、3つのデータの見方とフレームワークを使ってRESASのデータを見てみると、漠然とデータを見るよりもゴールへの道のりが見えてくるのではないでしょうか。RESASにはたくさんのデータが搭載されていますので、色々なページを見て想像をめぐらせ、地域を元気にする素敵なアイデアを応募してみてはいかがでしょうか。

↑第一回セミナーに登壇したTrue Data越尾由紀と昨年の受賞チームツナガルドボクのみなさん

 最後に、コンテストへの応募を考えている皆さまへ、越尾からのメッセージをご紹介します。
「自分達が住む街を、データを活用して、もっと素敵な街にできることは、素晴らしいと思います。データから見つけた小さな気づきが、大きな変革につながっていくプロセスを、このコンテストを通して実感していただけたら嬉しいです。」

 True Dataはこれからも、RESASへのデータ提供やコンテストへの協力を通して、データを活用した地域活性化を支援してまいります。

▼地方創生☆政策アイデアコンテスト2022のサイトはこちらから
https://contest.resas-portal.go.jp/2022/index.html

▼地域経済分析システムRESASはこちらから
https://resas.go.jp/

▼株式会社True Dataへのお問い合わせはこちらから
https://www.truedata.co.jp/contact/