世界的な調査会社のニールセンが2018年7月、米国における急成長する植物性食品の新たな選択肢に関するレポートを発表しました。
急成長する植物性食品の新たな選択肢
※原文”PLANT-BASED FOOD OPTIONS ARE SPROUTING GROWTH FOR RETAILERS”はこちら。
同レポートよると、米国では、植物性の食品が特に注目されているという報告がありました。昨年度の「ニールセン ホームスキャン調査」では、39%ものアメリカ人がより積極的に植物性食品を摂取しようとしている様子が示されています。
しかし、豆腐、玄米、グラノーラのような従来型の植物性食品は、前年比1.3%のマイナスでした(2018年4月7日現在)。伸びているのは、「植物性ヨーグルト」「代用肉」「代用チーズ」など、イノベーションにより登場した代替品です。米国で次々に登場する新たな植物性食品。日本市場での売れ行きはどうなっているのでしょうか。
日本市場における「豆乳」と「第3のミルク」の伸び率は?
日本のスーパーマーケット、ドラッグストアにおける5000万人規模の購買データ(True Data)から、今回はスーパーマーケットのデータをもとに、植物性食品の代表といえる「豆乳カテゴリ」のトレンドを見てみたいと思います。
購買データ出典:True Data/対象:スーパーマーケット
近年増加傾向の続いていた豆乳カテゴリは、2017年7月~2018年6月の1年間では、前年比101.7%と微増でした。
一方で、最近よく聞かれるようになったのが、牛乳・豆乳に次ぐ「第3のミルク」と呼ばれるアーモンドミルクです。スターバックスでは昨年、期間限定でミルクをアーモンドミルクに変更できるフェアを実施していました。アーモンドミルク研究会によると、牛乳と比較しても低カロリー、低糖質、コレステロールゼロとヘルシーなことに加えて、ビタミンやミネラル、食物繊維などが豊富に含まれています。
スーパーマーケットで購入できるアーモンドミルクの代表商品と言えばグリコ「アーモンド効果」です。グリコ「アーモンド効果」のトレンドはどのようになっているのでしょうか。
2017年7月~2018年6月の1年間では、前年比114.9%と大きな伸びを示していることが分かります。「第3のミルク」と言われるアーモンドミルクの市場は拡大しているようです。
購入者の年齢層に意外な違い
豆乳とアーモンドミルクの購入者層に違いはあるのでしょうか。下記の図はグリコ「アーモンド効果」と「豆乳」カテゴリの購入者年齢層の比較です。
豆乳カテゴリのほうが20代~40代の若い世代の構成が高く、グリコ「アーモンド効果」は50代~70代の高年齢層の構成が高い結果となりました。健康志向の消費者をターゲットとした新商品には、まずはじめに50代以上の消費者が反応するのかもしれませんね。一方で、豆乳カテゴリは、市場も安定し、老若男女から支持されるカテゴリになったと言えるのではないでしょうか。
今後も、植物性食品に関しては、たくさんの商品が出てくると考えられます。その中でもどの商品が売り上げを伸ばしてくるのか、さらには豆乳のように定番化する商品は誕生するのか、引き続き注目していきたいと思います。
(True Data たむけん)