世界的な調査会社のニールセンが2018年2月、米国における健康&ウェルネス市場に関するレポートを発表しました。
「ただの流行か、なくてはならないものか?2018年、健康&ウェルネス市場の次に来るもの」
※日本語訳はこちら。
同レポートによると、2017年は米国の小売業にとって厳しい状況であったものの、「健康や社会性を意識した商品」については消費者が優先して購入する傾向が強まっています。
その成長要因を深堀すると「人工着色料や添加物を避けた」食品だけでなく、優れたタンパク源や身体によい善玉菌が含まれる「機能性食品」、無糖もしくはノンカロリー甘味料を使用し「糖を控えた」商品など、健康を意識した商品が消費者によって選ばれていることが分かります。
植物性タンパク質への需要が高まっている
とりわけ注目したいのが、植物性タンパク質への需要の高まりです。米国人は動物性・植物性に関わらずタンパク質を非常に強く求めています。まだまだ8割近くの消費者が肉を主なタンパク源ととらえているようですが、植物性タンパク質製品の売上は上昇傾向にあります。
そのような市場背景の中、大豆やエンドウ豆から作られた「味も見た目も本物そっくり」の植物性肉を提供する、米国サベージ・リバー社「ビヨンドミート」の動向が気になります。同社はビル・ゲイツ氏らから巨額の資金調達を行うなど注目を集めている企業です。本年には日本への進出も計画されており、私たち日本人の食卓に日常的にのぼるようになるかもしれません。
日本を代表する植物性肉「豆腐ハンバーグ」の動向は?
日本における植物性肉といえば、「豆腐ハンバーグ」を思い浮かべる方も多いでしょう。そこで「豆腐ハンバーグ」の市場動向をチェックしてみました。
下記はTrue Dataが提供する購買データ分析ツール「Dolphin Eye」のデータをもとに、商品名に「豆腐ハンバーグ」を含む商品の売上動向を昨年の動向と比較したものです。今回は健康に気をつかう消費者層が集まりそうな、ドラッグストアにおける売上推移を見てみます。
※「買物指数」はお客様(来店者数)100万人あたりの売上高や売上点数をあらわす当社の独自指標です。
おおむね昨年度を上回るペースで推移しているほか、個別商品の売上動向をチェックすると、とりわけベビーフード商材としての活用が進んでおり、乳児の健康に配慮したい消費者心理が垣間見えます。
今後の植物性肉市場に注目
日本においても豆腐をつかったハンバーグに限らず、より本物に近い植物性ハンバーグの開発・販売が各社で進んでいるようです。
黒船「ビヨンドミート」の来航によって、日本の植物肉市場がどのように変化していくのか、ますます目が離せないですね。
(True Data A.T.)