True Dataパートナー企業、デジタルガレージの黒沢です。今回はネット広告の代名詞Cookieベースのターゲティング広告を強化する新しい広告手法「統計ベースターゲティング広告」を全3回の記事で解説させていただきます。
これまでのネット広告では、Cookie等を活用し一人ひとり(※1)広告閲覧履歴等を把握することで、「誰に」「何を」「どのメディアで」広告すべきかを決め、PDCAサイクルにより広告運用をしていくことを基本としていました。そのため、ターゲティング=Cookieが必須というイメージが浸透しているかと思います。
※1:厳密には、個人ではなくブラウザや端末を指す。
今回、ご紹介する「統計ベースターゲティング広告」は、購買データを統計的に分析することで、一人ひとり(※1)の特定はせずに「どの集団に」「いつ」「どこで」広告をすべきか?を導くターゲティング広告手法です。
購買データを細かく見ていくと、「購入者の属性(年代)」毎に売れる「時期」や「エリア」が大きく変動しています。統計ベースターゲティング広告ではこの需要の変動を細かく捉えることで、需要が高い状態にある集団に、効果的に広告を届けることができます。
今回は「どの集団に=購入者の属性(年代)」「いつ=時期」「どこで=エリア」の3つの分析軸のうち、まずは、統計ベースターゲティングならではのターゲティング領域である「いつ=時期」を取り上げ、実際どのように最適な広告時期を分析するのか?を解説します。
早速、実際の購買データを見ながら確認してみましょう。
上の図は、昨年3月の美容液カテゴリの購入金額推移です。3月を週で見ていくと、美容液カテゴリの第1週の売上は非常に少ないんです。それに対して第3週には1.56倍にも拡大し、売上は週次で見ると大きく変動します。
需要期を捉えるにはどんな分析が必要なのか?
自社商品の過去の売上データと広告出稿データを集め、重回帰分析などの複雑な分析をしても、需要期を捉えることはできません。
最初に見るべきデータはカテゴリの購買データです。購入金額トレンドを52週で見てみましょう。
これは、ID-POSデータをもとに、美容液カテゴリの購入金額の推移を示したグラフです。3年分を重ねているグラフですが、何か気づきませんか?
毎年の購入金額の山谷が、きれいに重なっています。そして、美容液カテゴリには青の点線で示している毎年8回の需要期があることが分かります。この週がまさに広告に最適な時期となります。
実際、毎年決まった週に売れているので、広告も売れる週=需要期に打つべきです。購入金額がピークを迎える需要期は、購入意向も高く、広告をうつ絶好のタイミングになります。
需要期の再現性は美容液カテゴリだけではない
毎年の需要期の再現性は、驚くことに美容液カテゴリに限ったことではありません。
ドラッグストアやスーパーの取扱商品では、ほぼすべてのカテゴリで購買トレンドに年単位の再現性があることが確認できています。※下図参照
広告スケジューリングを行う際は多くのカテゴリに需要期があるということを意識して、先入観なく過去の購買データを確認してみてください。新たな需要期の発見があるはずです。
これまで広告運用では週単位の広告スケジューリングは、あまり行われていませんでした。週単位の広告スケジューリングや予算最適化を進めることで、実は、非常に簡単に購入意向の強い方に広告を届けることが出来るようになります。これによりCookieを使わずにネット広告のターゲティングを強化できます。
次回は「どこで」広告すべきか?エリア毎の市場の変化とその捉え方を解説いたします。
統計ベースターゲティング広告に活用できるサービスまとめ
「統計ベースターゲティング広告」を自らデータ分析して実践したいという方にぴったりなのが、ID-POS分析サービス「Dolphin Eye」と「Eagle Eye」です。また、まずは手間なく気軽に統計ベースターゲティング広告を始めたい場合は、広告最適化レポートサービス「STORY」があります。ぜひ以下からお問い合わせいただき、ご検討ください。
Dolphin Eye:誰でもかんたん! ビッグデータ活用ツール
https://www.truedata.co.jp/dolphineye
Eagle Eye:より深く顧客を見抜く購買行動分析ツール
https://www.truedata.co.jp/eagleeye
STORY:
実購買データに基づく広告最適化レポートサービス
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STORYテレビCM:
実購買データに基づき15秒単位の出稿を最適化するテレビCM出稿サービス
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