2021年5月12日(水)に開催されたSAPジャパン主催のオンラインセミナー「Startup Customer Experience & Scale with SAP」にTrue Dataが参加いたしました。
True Dataは2020年9月にSAPジャパンのスタートアップ向けプログラム 「SAP.iO Foundry Tokyo」2020年下期コホートプログラムに選出され、本セミナーではプログラムを経て、現在SAPと共に進めている 購買情報(ID-POSデータ)や生活者ビッグデータを活用した ソリューション展開についてご紹介しました。
また、セミナー後半では、True Dataの購買分析ツール「Eagle Eye」をご活用いただいている、ロート製薬の真沢様にご登壇いただきトークセッションを行いました。
SAPとの取り組み
True Dataのデータや分析技術とSAPのプラットフォームを融合したソリューション展開に取り組んでおります。
①OMO分析
True Dataの購買データと様々なビッグデータを掛け合わせたサービス「KURASHI360」を活用し、SAP Commerce Cloud等で得られるオンラインデータとTrue Dataのオフラインビッグデータを連携したうえで、自社の顧客理解を深めプロモーションなどの効率を高める取り組みを進めております。
・コンセプトムービー
②流通在庫の可視化
SAP上で管理している出荷データと、True Dataが扱う流通データのギャップを見ていくことで、メーカーの過剰在庫や店頭での品切れといった課題解決を目指しています。
③Online/Offlineを含めた統合顧客基盤の確立とデータ活用による顧客エンゲージメントの実現
小売業に対してSAPのCustomer Data Cloudを連携し、オンラインとオフラインを含めた統合顧客基盤を構築して、小売業の顧客のエンゲージメントを高めるといった取り組みも視野に入れています。
トークセッション
トークセッションでは、ロート製薬様におけるTrue Dataのデータ・分析ツール「Eagle Eye」の活用方法や、2社で進めているデータを効率的にハンドリングしていく取り組み、新型コロナウイルスの影響で感じる市場変化、True DataとSAPの新ソリューションへの期待感などの質問が展開されました。
以下ではトークセッションの一部をご紹介いたします。
登壇者:
ロート製薬株式会社 営業企画推進部 部長 真沢 和良 様
SAPジャパン株式会社 Customer Experience事業本部 事業開発 高橋 佳希 様
株式会社True Data データマーケティング部 営業第2グループ長 田村 健二郎
※以下敬称略
①True DataのデータやEagle Eyeの活用法について
真沢: Eagle Eyeの使用シーンとしては、お客様がどのような購買行動をとってきたか、併買動向などを見るほか、エリア限定の施策を実施し、売り上げのどの指標に施策の効果が表れたのかを確認するうえで、非常に活用のしがいがあると思っています。
小売業様へご提案をする際、市場で起こっていることと、小売業様で起こっていることのギャップを見るようにしています。同じ小売りチェーンでも、エリア・店舗によって売れるものは全く違うので、それをいち早く見つけています。
田村:ロート製薬様ではEagle Eyeの日本最大級のデータ量、市場の代表性といった点でご評価いただいていると実感しております。現場の方からも、日次連携のデータによって新商品の実績を素早く確認できる点や、母数が大きいことでニッチな商品の動向も見ることができる点等をご評価いただいています。
また、小売業様のPOSデータをお預かりする際、大量のデータを分析で使える状態にするためにデータのクレンジングが必要です。ロート製薬様は自社で保有するPOSデータのハンドリングに課題を感じており、当社と一緒に課題解決に取り組んでいます。
②True Dataについての印象
真沢:True Dataはプロフェッショナルな人が揃っている会社ですので、いろいろなノウハウを活用したいと思っています。
データのハンドリングに関しては、社内のデータ集計業務に時間・工数がかかっていましたが、もっと社内外のコミュニケーションに時間を割いていきたいので、True Dataにも助けてもらいながら、ノウハウを活用していきたいです。
高橋: True Dataによるデータ活用のソリューションによって、本来の業務にどのくらい効果が表れたのでしょうか。
真沢:一人一人と会話する中で、社員が負荷に感じていた単純作業、業務量が減ったという実感があるのではないかと思います。今後は業務効率化によって浮いた時間をどう使っていくか、やるべきこと、やっていきたいことに時間を充てていきたいです。
③コロナの影響で市場が変化していると感じる点
真沢:多様なお客様の悩みを解決したいという想いもあり、2000SKU近くの商品を販売していますが、やはりコロナで変化が起き、様々な領域で売れていくもの、売れなくなったものがあります。マスクが当たり前になりメーキャップはしなくなった一方、マスクで肌が荒れるため基礎化粧品の市場が膨らむなど、かなり明確化しました。
売れない商品については売れない理由を、売れている商品についてはもっと売る方法を追求するために、要因を探ることが重要だと思います。
田村:昨年は店舗あたりの来店客数が減り、まとめ買いの傾向からその分一人あたりの利用金額は増えていましたが、ちょうど感染拡大から1年が過ぎ、1レシートあたりの金額も落ち着いてきています。そのため小売業様の実績としては苦戦しているところもあるかと思います。
除菌系は引き続き好調なほか、酒・おつまみが好調など、生活スタイル自体の大きな変化を捉えています。
高橋:ライフスタイルの変化を実感する中で、データを見ながら企業の戦略を変えていくことが大切ですね。
④True DataとSAPの市場購買データ等を活用した新しいソリューションへの期待感とは
高橋:先ほどご紹介したTrue DataとSAPのソリューションの中で、今後期待する点や活用してみたいものはありますか?
真沢:メーカーの立場からすると、流通在庫の偏在は課題です。余剰在庫になってしまうと返品扱いになりますし、メーカー在庫に残ると廃棄になってしまいますから、できる限り回避したいですね。今までもこの分野については色々と試すなかで、予測の精度を上げていくことの大切さを感じています。
メーカー側で新しくデータを作り出さなくても、日常的に使っている既存のデータの中から流通在庫やサプライチェーンをコントロールすることができたら、とても需要はあると思います。
⑤ロート製薬様のスタートアップやイノベーションの取り組み
真沢:今の医療現場の疲弊に手を差し伸べること、自分たちの周りをしっかりつなげていく活動が大事だと考えています。
また、組織に頼りすぎない、という気持ちが大事だと思っています。会社としてもいち早く副業を認めているほか、社内でのクラウドファンディングにより新事業に取り組めるなど、いろいろなことにチャレンジしています。
高橋:変化が激しく正解のわからない状況の中で、お客様のために何ができるのかが企業活動の価値創造、お客様との関係形成につながるのだと思います。
本日は貴重なお話をありがとうございました。
* * *
True Dataは今後もSAPとともに、小売業・消費財メーカーをはじめとした企業のデータマーケティングに活用いただける様々なソリューション開発を進めてまいります。